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「キョウちゃん、勉強教えて?」

Tシャツにパーカーを羽織り、膝丈のゆったりしたスカート。

そんなカジュアルな格好をした女の子が、僕の部屋に入ってきた。

幼なじみの、ミホだ。


「……またですか、上野先輩」

つーか、ノックくらいしろ。


「もう、ミホって呼んでよ。それに敬語とかいいから」

なんだよその……ふくれっつら。

面白いんだけど。


「同じ高校の1年と3年ですから」


「そうやって壁作るのやめてよー。っていうか、今、おばさん扱いしたな?」


「……してねーよ。それより、2つも下のやつに勉強教わるってどうなの」


「あ。いつものキョウちゃんに戻った」


ミホは、日常的に、僕の部屋をおとずれる。

勉強を教えてだの、漫画を貸してだの。


「いいの、基礎が大切なんだから」


「受験生が今ごろ基礎学んでどうすんだよ、バーカ」


「イジワル言わないで?」


「……しょうがないなぁ」