プロローグ
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たとえば誰かが告白してきたとする。

そしたら僕は、こう答える。


「君の気持ちは嬉しいんだけど、応えることはできない。ごめんね」


声のトーンは低すぎず、高すぎず。

スピードは、ややゆっくりめで。

あらかじめ用意しておいた台詞を、発する。


たいていの子は、すぐに引き下がる。


中には、

「どうして?」とグイグイ迫ってくる子もいる。


そういうときは、


『どうしてもなにも、誰がお前と付き合うかよ』


――なんて心の声は、けっして口に出さない。


「勉強に専念したいんだ」


とでも言っておく。


なぜかって?

そんなの決まっている。


上げたいからだよ、好感度。