秘密の陰陽師 【壱】


葵side




「ん…」




頭が痛い。うっすらと目を開ける





「起きたか。大丈夫か葵」




目の前にいたのは舜。
悲しそうな顔をしている





「平気だよ」




何でかは分からないけど
舜にはそんな顔をして欲しくなかった





「私…なんで…」





「お前と俺が森で戦ってる時、
変な奴が現れてから急に気を失ったんだ」






あ…そうだ…あの人が…






「…っはぁ…っ」








思い出すとまた息が苦しくなる。





うまく呼吸ができない。




しんどいよ…




助けて…






薄くなって行く意識のなか、私の口に何かかが触れた





「…んっ…」







舜の唇…





そうか私過呼吸になってたんだ






だんだん落ち着きを取り戻す