秘密の陰陽師 【壱】





「ところで…」





俺は一ノ瀬葵に詰め寄り





「君は何をしてたのかな?」





素の俺で聞いた





もう口を開いた時には王子様の俺じゃなくなってたんだ




なぜだかは分からない。





ただこいつは人を惹きつける不思議な力がある





こいつなら素の俺でも受け入れてくれる





そんな気がしたんだ







女に素を見せるなんて初めてだ







なんだこの気持ち…






ただ目の前にいる女が気になって仕方なかった







今思えばこの時からだろうか。
どこに居ても何をしていてもこいつの事を考えるようになったのは。