私なんか悪いこと言っちゃったかな?






そう思ってると舜の顔が唇が触れる寸前まで近づいて来た






「…っ」






恥ずかしすぎて声も出ない






舜はニヤリと笑うと






「王子様?そうだね、
僕みんなの王子様なんだよね」






と黒い笑みをこぼした






舜が"僕"と言う一人称を使ったことに対して
鳥肌がたった






だって私と話すときはいつも"俺"だから







「葵は僕に王子様でいてほしい?」







相変わらず黒い笑みを浮かべて聞いてきた







「私はいつもの舜がいいと思うよ。
そのままの、素の舜が。
王子様の舜はなんだか違和感がある」








この言葉に嘘はない。

意地悪でドSだけどその言葉は優しくなぜか安心してしまう







あれ私、舜のこと嫌いだったはずなのに







舜の言葉に安心してしまうと思った自分に対して少し驚いた






隣にいる舜はというと、黙ってしまった






どうしたのかと思って舜を見上げると顔を赤くした舜がいた







あれ?どうしたんだろ?
暑いのかな?





今日はまだ涼しい方だと思うけどな






「どうしたの?」





そう聞くと





「別に…っちょっと暑いだけ」





「ふーん」





やっぱ暑いんだ。
暑がりなのかな?