秘密の陰陽師 【壱】





「あんたは一体なにをしにここに来たの?」





「俺か?おれはそなた…

一ノ瀬葵に挨拶をしにきただけだ」







私を…知ってる…?







「なぜ私の名前をしっているの」







「ははははっ。お前はバカなのか」






なにがおかしいのか、その鬼はケラケラと笑いだす







「お前ほど美味そうな匂いのする人間を
俺たち妖が知らないわけがないだろう」






は?匂い?






なにを言ってるの?





「それにお前の力…
測りきれねぇその霊力に興味がある。」







「意味がわからない」






私は印を組んだまま鬼を睨む





「まぁそのうちわかる時が来ろう」







そう言い残した鬼の妖は、すぐにその場から姿を消した









なんだったんだろう…?







意味の分からない事ばかり言っていたな…






まぁ何もなかったからいいか。







そう思って残りの見回りも終わらして、家に帰った。