「せっかくこっちに来たんだから、剣道部のぞきに行かね?」

「え?」

「あ、このあとなんか用事ある?」

「あっ、ありませんっっ?」

ブンブン。
音がしそうなくらい大きく首を左右に振る。

「よしじゃあ決まり」

「いんですか?私もついていって」

「は?当たり前じゃん。神崎だって剣道部だったんだから。センパイがなんで行っちゃダメなんだよ」

「そうですよね?」

不思議そうな圭太センパイ。

圭太センパイ。
ホントはそういうイミじゃないんですよ。

このあとも圭太センパイと一緒にいられることが私にとってなによりも気がかりだったんです。

だから、このあとも一緒にいていいんだって思ったら、もう。

もう。もう。もう。

誰に大きな声で叫びたい。

『私、好きな人とデートしてます!』
『すごくすごくすご~~~くっっ、うれしいです!』