クラスメイトと仲良くなりたくても。
独りを卒業したくても。
臆病な心に勇気はなくて。
たった一歩が踏み出せない。
ほとんど全員が敵のようなこの状況を受け止めることで、精一杯だ。
結局、受け止めきれていないけれど。
そうやって我慢しては逃げてを繰り返して、現状がいい方向に変わってほしいと願ってるくせに何もしない。
そんな情けないわたしを守るように、長い前髪は周りの視線を遮断してくれる。
この前髪は、この長さがちょうどいい。
切らずに、このまま。
暗そうに見えていたとしても、苦しさを少しは和らげることができるなら、長いままを選ぶ。
きっと、わたしは逃げてるんだ。
周りからも、自分からも。



