どんな君でも、愛おしくてたまらない。





わたしと依世ちゃんの絆が、以前よりも強固なものとなる。


友情を再確認した、そのとき。



ピピーッ!、と先生が笛を鳴らした。



「はい、試合終了。次の対戦に移るぞー」



先生のかけ声に、わたしと依世ちゃんは顔を見合わせて立ち上がる。


わたしたちが試合する番だ。



「頑張ろうね、莉子」

「うん!」


真ん中に移動し始める。



刹那、



「危ないっ」



左側から、環くんの叫び声が耳の奥を通った。



なに?


反射的に足を止めて、視線を左に動かした。



視界の隅に映る、バスケットボールと、環くんの走っている姿。