しばらくしてお弁当を食べ終えると、綾美に誘われて廊下へ出た。両端には、なぜか1学年全員かと思うほどの女子が1列に並んでいた。彼女たちの上履きの色は、ほとんどが自分と同じ色だ。
綾美が教室のドアから近いところに入ったので、私もその隣に入った。
なぜ並んでいるのかはわからないけど、なんだか無理に入った気がして周りの人に申し訳なくなる。
「……ねえ綾美、これなに?」
なんとなく小声で訊いた。
「大丈夫。きっとすぐ……」
「あれっ、あの人?」
「えっ、まじで?」
綾美の声を遮るように、少し遠くにいる女子たちが騒ぎ始めた。
「ほらほらっ、来た来た」
その騒ぎ始めた女子に、綾美自身も含まれていた。興奮したように飛び跳ね、腕を引っ張ってくる。
「痛い、痛いから」
離してもらおうとしても、腕を掴む綾美の手は力を緩めない。
「あっ、ほらっ。あの人っ。見える?」
しばらくして腕を離してくれた綾美の手が示したのは、左の方だった。私は一歩前に出て、綾美の指の先を見た。



