「紗弥。」
「…な、なんですか?」
真っ直ぐな目に押し負けてしまいそうだ。
「紗弥からキスして。」
「えぇっ!?」
「今日はそういう気分。」
「そういう気分って…。は、恥ずかしいんですけど!」
「…知ってるけど、俺も恥ずかしいし。こんなだっせぇ自分。」
「…それは別にださくないけど…。」
「ださいついでに甘えてもいいよなって。目、瞑ってるから。」
「…。」
本当に目を瞑ってしまった。今日の相島は可愛いに全振りした相島なのだろう。こんなにわかりやすくヤキモチ(と呼んでいいものだと思う)をやいているという姿を見せてくれたことなんて、今までに一度だってない。だとしたら、その甘えを受け止めて、真っ直ぐに返したい。
紗弥はそっと、唇を重ねた。ほんの一瞬重ねてすぐ離す。
「…足りない。もう1回。」
「…これ、思っていたよりもずっと恥ずかしい。」
「あと1回頑張って。」
「…う~…。」
『頑張って』の言い方がずるい。そんな風にお願いされたら抗えない。
紗弥は意を決して、もう一度重ねる。さっきよりも長くなるように、勇気を携えて。すると、相島の腕がぎゅっと紗弥の背中に回った。一度離れた唇は、目を開けた相島によって再び塞がれる。
二人で織りなす甘く優しい音だけが静かな部屋に響いて、耳が熱くなる。何度か啄まれたあとに目を開けると、相島と目が合った。
「めちゃくちゃ潤んでんじゃん。そんな恥ずかしかった?」
紗弥は素直に頷いた。自分からするキスというものに、全然慣れない。
「…な、なんですか?」
真っ直ぐな目に押し負けてしまいそうだ。
「紗弥からキスして。」
「えぇっ!?」
「今日はそういう気分。」
「そういう気分って…。は、恥ずかしいんですけど!」
「…知ってるけど、俺も恥ずかしいし。こんなだっせぇ自分。」
「…それは別にださくないけど…。」
「ださいついでに甘えてもいいよなって。目、瞑ってるから。」
「…。」
本当に目を瞑ってしまった。今日の相島は可愛いに全振りした相島なのだろう。こんなにわかりやすくヤキモチ(と呼んでいいものだと思う)をやいているという姿を見せてくれたことなんて、今までに一度だってない。だとしたら、その甘えを受け止めて、真っ直ぐに返したい。
紗弥はそっと、唇を重ねた。ほんの一瞬重ねてすぐ離す。
「…足りない。もう1回。」
「…これ、思っていたよりもずっと恥ずかしい。」
「あと1回頑張って。」
「…う~…。」
『頑張って』の言い方がずるい。そんな風にお願いされたら抗えない。
紗弥は意を決して、もう一度重ねる。さっきよりも長くなるように、勇気を携えて。すると、相島の腕がぎゅっと紗弥の背中に回った。一度離れた唇は、目を開けた相島によって再び塞がれる。
二人で織りなす甘く優しい音だけが静かな部屋に響いて、耳が熱くなる。何度か啄まれたあとに目を開けると、相島と目が合った。
「めちゃくちゃ潤んでんじゃん。そんな恥ずかしかった?」
紗弥は素直に頷いた。自分からするキスというものに、全然慣れない。



