「結局何にもしなくてごめんね、ありがとう。」
「これからしてもらうからいい。」
「…どういうこと?」
相島がソファーをポンポンと叩く。隣に座れということなのだろう。紗弥は抗う必要もないので素直に座った。紗弥が座った途端に、相島の頭が紗弥の肩におりてきた。
「…?」
「…疲れた。」
「ご飯作らせた上に皿洗いまでさせちゃったもんね。」
「そうじゃない。」
「…松山君の件、まだ言ってる?」
「面倒くさくて悪かったな。」
「面倒だなんて言ってないじゃん。」
「…なんかさぁ。」
「うん。」
紗弥の肩に重みが増す。
「…職場での雰囲気が柔らかくなって、前にも増してモテ始めてるって知ってる?」
「えっ?」
そんなことは知らない。初耳だ。
「多分知らないだろうなとは思ったけど。」
「でも、…昴くんも相変わらずモテてるけど。」
「一定数は俺も紗弥もあるだろ常に。…最近はどう考えても紗弥のモテ比率の方が高い。」
「だとしても告白されてないよ?」
「…松山は明日言ってくるかもしれないぞ。」
「…だとしても、付き合わないよ。」
紗弥はそっと、相島の頭に手を伸ばした。そしてそのまま、小さく撫でる。
「…わ、私が好きなのは…松山くんじゃないもん。」
「そこは、私が好きなのは昴くんだもん、だろ?」
顔を上げた相島がニッと笑う。さっきまで少し拗ねていて可愛かったのに、すぐ形勢が逆転してしまいそうになるから紗弥も気が抜けない。今日はちょっとだけ優位でいたい。
「これからしてもらうからいい。」
「…どういうこと?」
相島がソファーをポンポンと叩く。隣に座れということなのだろう。紗弥は抗う必要もないので素直に座った。紗弥が座った途端に、相島の頭が紗弥の肩におりてきた。
「…?」
「…疲れた。」
「ご飯作らせた上に皿洗いまでさせちゃったもんね。」
「そうじゃない。」
「…松山君の件、まだ言ってる?」
「面倒くさくて悪かったな。」
「面倒だなんて言ってないじゃん。」
「…なんかさぁ。」
「うん。」
紗弥の肩に重みが増す。
「…職場での雰囲気が柔らかくなって、前にも増してモテ始めてるって知ってる?」
「えっ?」
そんなことは知らない。初耳だ。
「多分知らないだろうなとは思ったけど。」
「でも、…昴くんも相変わらずモテてるけど。」
「一定数は俺も紗弥もあるだろ常に。…最近はどう考えても紗弥のモテ比率の方が高い。」
「だとしても告白されてないよ?」
「…松山は明日言ってくるかもしれないぞ。」
「…だとしても、付き合わないよ。」
紗弥はそっと、相島の頭に手を伸ばした。そしてそのまま、小さく撫でる。
「…わ、私が好きなのは…松山くんじゃないもん。」
「そこは、私が好きなのは昴くんだもん、だろ?」
顔を上げた相島がニッと笑う。さっきまで少し拗ねていて可愛かったのに、すぐ形勢が逆転してしまいそうになるから紗弥も気が抜けない。今日はちょっとだけ優位でいたい。



