ホームランを胸に ファースト

伊織との帰り道は葵のことなんか忘れちゃうくらい楽しかった。

でも、やっぱり私は葵が好き。隣で手を繋いでて欲しいんだ。

「涼、辛い時は相談しろよ!じゃあな」

「ありがとう。じゃあね!」

ガチャ

お隣さん同士玄関を開け、家に帰った。

1人になるとやっぱり葵が心配になる。

どうしてあんなに寂しそうな顔をするんだろう。辛そうなんだろう。

でも、私には言えない事なのかなと思うと怖くなる。

私にはバレたくない。それは別れないといけないと思ってしまう。