ホームランを胸に ファースト

「はいっ!」

私は急いで寮先輩に駆け寄った。

「あの、どうしました?」

「俺...思い出したんだ。菜花の事」

「えっ?」

「俺...ずっと分からなくてどうして事故にあったのか。どうして車に飛び込んだのか...でも、やっと分かって...」

「じゃあ菜花先輩の所へ行ってあげてください。」

すると、寮先輩は寂しそうな顔になった。

「でも...こんな好きだった人を忘れるなんて...俺は...最低すぎだろ...」

「寮先輩!それは違います!」

私には確信があったしどうしても会ってほしかった。