ホームランを胸に ファースト


私がそう言うと伊織は走って駅から出ていってしまった。

「え?伊織!!!!」

追いかけようと1歩出した時。

「!!!!」

後ろから誰かに私の腕を掴まれた。

「葵!」

「涼...逃げんなよ」

「ごめん、逃げてるつもりじゃ」

「まぁいいけどさ、今日は俺にちょっくら付き合って!」

「うん!」

なぜか分からないけど、葵は私の事を楽しませようとしてくれてる気がした。

あたし達は、タクシーに乗り遊園地に着いた。

「よし、何乗る?」

「うーん...絶叫系じゃなければいいよ!」

私は絶叫系が大の苦手なのだ。

「じゃあ観覧車ってどう?」

「いいよー!」