ホームランを胸に ファースト

奏はそう言って抱きついてきた。

「おい、俺のかなちゃんと涼を取るな!」

「お兄ちゃん誰に言ってんの?」

「お前らだよ!」

「「バーか!」」

私は奏と顔を合わせて笑った。

お兄ちゃんは恥ずかしそうに椅子に座った。

「で、涼話があるんだけど...葵とちゃんと話した方がいいと思う。立ち直れないかもしれなくてもこのままはダメだよ!」

「でも、無理だよ...分かってる事なら別れようって言って来るまで待つ!」

「涼!葵は何考えてるか分かんないけどちゃんと話し気持ち楽にしてこい。俺と奏もちゃんと一緒に話してやるから。」