ホームランを胸に ファースト

「涼、そんなに俺と帰るのも嫌になったか?」

「えっ?全然嫌じゃないよ?」

「だってさ、葵といる時と全然違うよ。」

当たり前じゃん。葵がいないんだよ!違う女の子と一緒にいるんだよ!

「分かってる。でも、伊織が嫌なわけじゃないから。」

「ならいいけど、隠してないでちゃんと言えよ。梨花って子にもちゃんとな」

そう言って葵は家に入ってしまった。

私も家に入ると奏がお兄ちゃんの部屋に来ていた。

「奏!来てたんだ!」

「あっ!涼!おかえりー」