だけど……。

――キーンコーンカーンコーン。

どんなに待っても、八雲は現れなかった。

ガッカリしながら、あたしはうつ向く。



「八雲、どうしたんだろう……」



もしかして、八雲になにかあったとか?

何も無いならいい、だけど……。

もし、あたしのことが面倒くさくなって、来なかったんだとしたら……?



「……八雲……」


会いたい……けど会えない。

心配で、嫌われちゃったか不安で……。

いろんなモヤモヤが胸の中で渦巻いていた。



「八雲も、同じ気持ちだったのかな……」



1人、あたしを保健室で待っていた時。

八雲も、こんな不安に押しつぶされそうだった?

それでも、あたしのことを信じてくれた。


「それなら、あたしも八雲のことを待つよ」



きみが待っていてくれたように、あたしも。

会えた時のことをたくさん考えながら。

そう心に決めて、あたしはいつもの課題に手をつけるのだった。