ーーカラカラカラッ。

保健室にやってくると、保住先生もいなかった。

まだ来てないだけかなぁ。


「なんか、ドキドキするな……」


あんなに電話で話してたのに、面と向かって会うのはこれが初めてになる。

だって、ぶつかった時は一瞬しか顔見れなかったし、あれはノーカウントに近い。


ポスンッとベッドに腰掛けて、そわそわと保健室の扉を見つめる。


「緊張してきた……もう、八雲相手なのにっ」



いや、八雲相手だからか!

好きな人……だもんね。

わぁー、あたし本当に八雲のこと好きになっちゃったんだ。

八雲はモテるから、絶対に、後悔するって分かってるのに……。

それでも、この想いを止められない。


「早く、会いたいな……」


あたし、今度は約束守れそうだよ。

最初に会えたら、なんて伝えよう。

それはもちろん……きみのことが……。