おはよう、きみが好きです

｢難波、八雲……｣


《難波 八雲》からの着信。

それに、ドキンッと心臓が跳ねる。

まさか、話したいと思ってた相手から電話をかけてくるなんて……。


｢すごい以心伝心｣


ねぇ八雲、あたしたち……やっぱり繋がってるんだね。

こんな時に、強く感じるよ。


あたしは微笑みながら、そっと、通話ボタンを押した。


――ピッ。

『お、おう……俺だよ、俺……』


そして、第一声はまさかの、オレオレ詐欺だった。

本当に、バカだよ、八雲は。

だって、まるで……出会った頃に戻った時みたい。

あの時も、オレオレ詐欺で電話してきたな、八雲。

だったらあたしは……。


｢……オレオレ詐欺は、犯罪ですよ｣


あの時と同じ返しをした。

そうすれば、少しでもあの頃の楽しかった時間に戻れるような気がしたから。


『ハハッ、んなもん知ってるよ』

｢あはは、そうだよね……｣

『おう、そうだよ……』

｢…………｣


だめだ、うまく会話が繋げない。

焦る、今までどうやって八雲と話してたんだっけ。