「今までみたいに去るもの追わずって訳にはいない恋なんでしょ」

「……そうだな、泪のことが本気で好きなんだ」



言葉では伝わりきらない。

どうい表せばいいのか、飾る言葉さえ安っぽく思えて。

だから、率直に言えば泪が『好き』ってことだ。



「俺には、泪しかいねーんだもん」


「もん……とか、うざいよ」


「うざい言うな!!幸人、俺を慰めに来たんじゃねーのかよ!」



ズサズサ刺さるんだよ、幸人の言葉は。

綺麗な顔して、この腹黒、隠れドSめ。

なんて言ったら、東京湾にでも沈められそうだから言えねーけど。


「神崎さんのために決まってるじゃん」

「はぁ?」


まさか、幸人まで泪のことが好きなのかよ。

和樹といい、泪はモテるから困る。

あの素直さと、可愛いさが原因だろうな。