「ぷっ、ふふっ……もう叫ばないよ!大切な彼氏様が捕まったら寂しいから」



おかしくなって、笑いが止まらない。

だって、あんなに不安だったのに……。

八雲が話すあたしとの学校生活。

その夢と希望に、あたしまでなんだか楽しみになってくるから不思議。



『……やっと笑ったな、泪』

「え……?」

『そーやって、バカ笑いしてる泪が好きだよ』


――トクンッ。

八雲の好きって気持ちが、あたしの心を幸福感で満たしていくのが分かる。

あたしがバカ笑い出来てるのは、八雲のおかげだ。



「八雲の言葉は……あたしを笑わせる魔法みたい」

『魔法か……なら、使えるのは俺しかいないな。泪を一番好きな俺にしか、つかえねー魔法』

「ふふっ、違いない!」


八雲の言葉じゃなかったら、あたしこんな時に笑えなかったよ。

きっと、八雲だけがあたしをこんなにも幸せな気持ちにしてくれるんだろうな。