「この部分がここに係るような感じで訳すと上手くできると思います」
「この公式は…」
幸大くんは英語から数学から何でも教えられる。
「うんうん、そうです。そんな感じ」
「あぁー…そっか。分かった!」
そうして数日間、私は付きっきりで勉強を教えてもらった。
「もう本当にありがとう!
あとは物理やれば…今回の問題、全部解けるようになると思う!」
「良かったです!じゃあ、ちゃちゃっと終わらせちゃいましょうか!」
とは言ったものの…そのハードルは高かった。
「あのー…ここ聞いてもいい?」
「あ、はい。ここはですね…」
説明してもらってもなかなか理解に至らない。
決して幸大くんの説明が悪いわけじゃなくて!!私の理解力が追いつかないの…
「んっと…じゃあ、こうなる?」
「あ…いや、これはこうなるので…」
すると幸大くんは向かいの席を離れ私の隣に立った。
後ろから伸ばされた手が私の教科書とノートの文字を追う。
すぐ隣にいるという存在感が妙に私を緊張させる。
「…んー」
「教科書のここの例題と同じような感じなんですよね」
そう言う声がぐわっと近くに来て、息遣いが耳元で聞こえる。
ヤバイ、ドキドキしすぎて勉強どころじゃないーー!!!
「あれ、難しかったですか?」
「ふぇ?!あ、ごめん違うの!」
ぱっと横を見ると、5cmくらいの距離に幸大くんが。
その瞬間に幸大くんは顔を離す。
「ご、ごごごごめんなさい!!目が悪くて文字が近付かないと見れなくて…」
「ううん!ぜ、全然大丈夫!!」
まだ心臓がバクバクしてる。
深呼吸して心を落ち着かせてから勉強を再開した。

