待ち合わせである駅に向かうと、彼女はもう来ていて鏡で髪型を確認したりしていた。
「悪い、待った?」
「私が早く着いちゃっただけだから」
その後、彼女の行きたいところを順々に回っていった。
「ここ、最近オープンしたらしくって。ずっと食べたかったの!」
昼はハワイで人気になって日本に初上陸したと話題のパンケーキを食べた。
苺の甘酸っぱさと生クリームの甘さ、生地のふわふわ感。
そこまで甘ったるすぎず胸焼けなんて全くなく完食した。
想像以上に美味かった。
「これも可愛いー!」
お腹がいっぱいになってからもクレープやジュースを買って食べ歩いた。
洋服を見たり、雑貨屋に入ったり。
「どっちがいいと思う?」
「あぁー…こっちか?」
「やっぱりこっちかぁ…」
彼女は友達の誕生日プレゼントを買いに来たらしかった。
「別に物じゃなくて気持ちが大事なんじゃねーの?」
「そうよね…
じゃあこっちにする」
そそくさと会計を済まし、満面の笑みで戻ってくる。
「帰るか。家まで送るよ」
しばらく店を見回って気が付くと空は暗くなっていて少し早めではあるが解散しようと考えた。
ただ彼女は不服のようで、俺の手を掴み無言で引っ張り歩いていく。
「おい、どこ行くんだよ」
ずんずんと歩みを進め、大きな通りの脇にそれる。
そこは所謂そういう通り。
俺達の横を腕組みした男女が通り過ぎていく。
「お、おい。何考えてるんだよ」
「良いじゃない、最後くらい。
別に初めてでもないんだから」
嫌がる俺を鬱陶しいみたいに、つんけんした態度で強引に扉の中に連れて行こうとする。
その腕を振り払って何とか通りの方まで戻ると
「おい、お前。なに人の女に手出してくれてんだ?あぁ?」
俺の背後には何人かの舎弟を連れた金髪鼻ピアスの男が立っていた。

