しかし、京介があたしの姿に気が付いた。
「よぉサナギ」
いつも通り方手を上げて挨拶して来る。
「おはよう」
笑顔で返事をすると「大丈夫かよ」と、あたしの右手に視線を落とした。
「うん。なんとか大丈夫」
あたしは適当に返事をした。
自分自身もかゆみの原因がわかっていないから、なんとも言えなかった。
「なにそれ、何があったんだよ」
克哉も好奇心からかあたしの腕をジロジロと見て来る。
なんとなく居心地が悪くなって、あたしは教室へ向けてゆっくりと歩き出した。
「たぶん、なにかのアレルギーみたいで、すごくかゆくて……」
そこまで言って言葉を切った。
これくらいの情報しかないんだから言いようもなかった。
「アレルギーって大変じゃん。治らなかったりするんだろ?」
テレビのドキュメンタリーなどで、アレルギー体質については時折取り上げられたりしている。
そこからの知識なのか、克哉はあまり自信なさそうな口調でそう聞いて来た。
「そうだね。でも、今血液検査の結果を待っているとろこだからまだ何とも言えないの」
「よぉサナギ」
いつも通り方手を上げて挨拶して来る。
「おはよう」
笑顔で返事をすると「大丈夫かよ」と、あたしの右手に視線を落とした。
「うん。なんとか大丈夫」
あたしは適当に返事をした。
自分自身もかゆみの原因がわかっていないから、なんとも言えなかった。
「なにそれ、何があったんだよ」
克哉も好奇心からかあたしの腕をジロジロと見て来る。
なんとなく居心地が悪くなって、あたしは教室へ向けてゆっくりと歩き出した。
「たぶん、なにかのアレルギーみたいで、すごくかゆくて……」
そこまで言って言葉を切った。
これくらいの情報しかないんだから言いようもなかった。
「アレルギーって大変じゃん。治らなかったりするんだろ?」
テレビのドキュメンタリーなどで、アレルギー体質については時折取り上げられたりしている。
そこからの知識なのか、克哉はあまり自信なさそうな口調でそう聞いて来た。
「そうだね。でも、今血液検査の結果を待っているとろこだからまだ何とも言えないの」



