手をつないで歩くなんてまるでカップルのような事をしただけで、終始ドキドキしっぱなしだった。


それなのにキスなんてできるわけがない。


気持ちだってまだ伝えていないのに……。


そこまで考えて少し切ない気持になった。


今日も結局気持ちを伝える事ができなかった。


京介はあたしの事をどう思ってくれているのか、何度も聞こうと思ったけれどやっぱり怖くて聞く事ができなかったんだ。


でも……。


あたしは自分の服を見下ろして、頬を緩めた。


京介はこの格好のあたしを可愛いと言ってくれた。


少し照れながらもそう言ってくれた時の事を、あたしはきっと忘れないだろう。


気持ちを伝える事はできなかったものの、それだけでもう十分満足なのだった。