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そして急遽脳のCTスキャンを行う事になった。


ちょうど機械があいていると言う事で、すぐに準備が進められる。


検査着に着替えて別室に通されて、丸いドーム型の機械を目の当たりにすると、少しだけ緊張した。


でも、これで体の異変が解明されるかもしれない。


そう思うと期待の方が大きかった。


指定されたベッドに横になり、胸に腕を置いた状態で下半身を固定される。


隣の部屋からリラックスするように指示があり、あたしは深呼吸をした。


「それじゃ、行きますよ」


その合図と同時にベッドは移動し、ドーム型の機械へと吸いこまれて行く。


時間にしたら約5分ほどだった。


時々呼吸を止めるように指示を受けたりしながらも、なんの問題もなく検査は終わった。


これほど簡単なものなのだと思いながら、着替えをして部屋を移動する。


隣の部屋に直接案内されて入ると、切り取られた能がすでに画面いっぱいに表示されている状態だった。


その画像を見ながら、難しそうな顔をして顎をさする医師。


なにかがあったのだと、すぐにわかった。


「今日はお母さんと一緒に来たんだよね?」


説明の前にそう言われて、あたしは「はい」と、頷いた。