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そして、翌日。


アレルギーの検査結果が出たと連絡を受けたあたしは、学校を休んでお母さんと2人で大きな病院へとむかった。


克哉が持っていた診察券は、ここの病院のものだった。


しかし、診察室に入ってすぐあたしの期待は打ち砕かれる結果となった。


「異常は見当たりませんでした」


機械的にそういう医師に、あたしは思わずため息を吐き出してしまった。


原因がわからなければ、克哉が性格を変えた理由がわからない。


「かゆみの原因って何なんですか?」


あたしが聞くと、医師は少し難しそうな顔をした。


「たとえばですが、一か所かゆみを感じてそこをかいていたら、かゆみが色んな場所へ移っていき最終的にどこがかゆいかわからなくなる時ってないですか?」


「あります」


その程度の事なら日常的にみんな経験している事だと思う。


あちこちにかゆみが散らばって、最初かゆいと思った場所がどこか曖昧になる。


「アレルギーもなく、全身がかゆい。その原因の1つには腫瘍が関係している時もあります」


「腫瘍……?」


思ってもいなかった言葉にあたしは目を見開いた。