「そうなんだ?」


「うん。随分かきむしってたの。でも冬頃だったから制服の上からじゃわからなかったと思うけど、かき過ぎて腫れてたんだよ」


真尋の言葉にドキッとする。


まるで自分の事を言われている気分になった。


診察券の日にちを確認すると、最後の通院日は12月上旬になっている。


それ以降は行っていないようだ。


かゆみが治まったという事でいいと思う。


通院開始日は10月下旬。


約二ヶ月間ほど通院していたみたいだ。


「それが何か気になるのか?」


京介にそう言われて、「あたしも克哉と同じでかゆみがひどいから……」と、答えた。


「そうか。でもそれは生活態度が変わった事には関係なさそうだけどな」


京介の言葉にあたしは曖昧に頷く。


確かにそうだ。


かゆみと生活態度には何も接点がない。


むしろ、かゆみがある事で生活態度は悪くなってもよさそうなものだ。


それでも少し気になったあたしは克哉の母親に質問をした。


「克哉はアレルギーとかがあったんですか?」


「いいえ。あまりにかゆがるからアレルギー検査もしたんだけれど、なにも異常はなかったのよ」


そう、返事をしたのだった。