「クリスマスの前にはあたしの誕生日がある。その時は普通のブレスレッドをくれたの。でも、クリスマスと誕生日なら、誕生日にサプライズするんじゃないかな?」


「そうだな。クリスマスより誕生日の方が特別な日だ。その日にサプライズをする方が自然な気がする」


京介の言葉に、あたしも同意した。


克哉がサプライスを考えていたとしたら、真尋が最も喜ぶ日を思い浮かべても不思議じゃない。


「だとしたら、真尋の誕生日の時はまだ普段の克哉だったって事だよね」


あたしはそう言い、スマホのカレンダーをさかのぼって確認した。


真尋の誕生日は12月20日だ。


「クリスマスをしたのは24日?」


「うん。24日の夜だった」


「なら、その4日間の間に何かがあったのかもしれないね」


あたしはカレンダーに視線を向けたままそう言った。


「そんな短期間で克哉の気持ちを入れ替えるような人物が現れるか……?」


京介は首を傾げてそう言った。


「克哉は俺たちが何を言っても笑ってやり過ごしてた。そんな克哉をたった4日で変えるほどの影響力のある人物がいたとしたら、誰かに報告をしてるんじゃないか?」


「……そうかもしれない」


真尋は頷く。


あたしや真尋には言わなくても、親友である京介には何か口走っていてもおかしくないかもしれない。


でも、そんな話を聞いた事はないようだった。


「もう一度、克哉の家に行ってみないか」


「うん」


京介の言葉にあたしと真尋は頷いたのだった。