真尋はきっと克哉の両親に連れて帰ってもらったのだろう。
近くに真尋の姿はなかった。
あたしはトイレの個室にはいり、かゆみを我慢しながらトイレットペーパーで止血をした。
腕を強く押さえている手の下から、何かがうごめいている感覚が伝わってくる。
右手に一匹。
左手にも一匹。
その感覚はとても小さくて、皮膚の上から押えれば潰れてしまうんじゃないかと思うほどだった。
でも、これほどかきむしってもその感覚は消えない。
「人間にいる寄生虫……」
あたしは小さくそう呟いたのだった。
近くに真尋の姿はなかった。
あたしはトイレの個室にはいり、かゆみを我慢しながらトイレットペーパーで止血をした。
腕を強く押さえている手の下から、何かがうごめいている感覚が伝わってくる。
右手に一匹。
左手にも一匹。
その感覚はとても小さくて、皮膚の上から押えれば潰れてしまうんじゃないかと思うほどだった。
でも、これほどかきむしってもその感覚は消えない。
「人間にいる寄生虫……」
あたしは小さくそう呟いたのだった。



