みんなベッドに寝かされ、点滴を打たれたり、注射を打たれたりしている。


「こっちだ」


案内されて奥へと向かうと、天井から床までカーテンが引かれていた。


そこを開けると、克哉の両親。


そして、ベッドの上で目を閉じている克哉がいた。


腕には点滴の針が刺されている。


「克哉……?」


真尋が目を見開き、克哉に歩み寄る。


「先生? 克哉はただの熱中症なんですよね?」


京介がそう聞くと「重度の熱中症です」と、小さな声で返事かあった。


重度の熱中症?


その言葉に背中から汗が噴き出すのを感じる。


ただの熱中症。


それでも、重度になると命に危険にさらされる病気だ。


治ったとしても、後遺症が残る可能性だってある。


とても恐ろしい病……。