真尋はそう言いながら雑誌を棚へ戻した。


少し取り乱してしまった事を言っているのだろう。


「気にする必要ないのに」


「うん……昨日はなんだかわけのわからない事を電話で話しちゃって、ごめんね」


「何言ってるの、確かに真尋らしくないなぁって思ったけど、悩んでる時はみんなそうでしょ?」


「そっか……」


真尋はいつでも前向きだ。


あたしの背中を押してくれる事も多い。


そんな真尋が立ち止まるんだから、今度はあたしが背中を押してあげなきゃいけない。


そんな気持ちになっている。


いまだに京介に告白できないあたしが偉そうな事は言えないけれど、真尋が隣にいて欲しいと言うなら、隣にいてあげようと思う。