焦る詩くんに私は静かに告げた


「いっていいよ、華夏さんのとこ」


詩くんが息を飲んだのがわかった。


「まって、奏楽!!!!華夏は…」


「もぉ、いい…もう、いいから…」

泣かない…泣かない…

私はマンガの主人公でもなんでもないんだから、好きな人とそう簡単に結ばれるわけがない…


「…わかった」

その一言を残して詩くんは扉の向こうに消えた。





「詩…くん…」



その名前は虚しくこの青空に消えた。