朝、起きるとすぐ近くにエルがいた。起き上がってエルの髪を撫でる。
ねぇエル。運命の人がいたとして。
その人をポンと出されて、運命って思えるかしら。
ずっと聞きたかった言葉を飲み込むと、目を覚ましたエルと目があった。
撫でている杏にエルは嬉しそうな顔を向けた。
本当、馬鹿みたい。エルのこと疑ったりして…そんな反省の気持ちが心に浮かぶ。
「ねぇ。杏さん。今日は運命の人を頑張って探しましょう。」
エルはいつになく張り切っているようだった。
少しチクッとする心を見ないようにする。
やっぱり天使と人間とでは無理だということなのだ。
「じゃ早めに帰るわね。」
そう小さくつぶやいた杏の言葉にエルは首を振る。
「大丈夫です。昨日、会社にはお休みの電話をしておきました。」
驚いて撫でていた手を思わず離す。
「なんで勝手に!」
「大丈夫です。弟として電話しました。
親戚のおじさんが急病でって言ったら信じてもらえましたよ。
杏さんの日頃の人柄のおかげです。」
そりゃよっぽどのことがない限りは休んだことはない。
エルは寝たまま、杏の腰に手を回した。
そして引き寄せられた杏は見事に倒れこんだ。そんな杏をエルは抱きしめる。
「本当はこうすることの理由なんてなくてもこうしていたんだ。」
「ど、ど、ど、どうしちゃったのよ。エル…。」
ジタバタともがいてもエルの腕の中からは逃れられない。
「だって僕はいつだってこうしていたいのに。」
敬語でもなんでもないエルはいつもと違うようで、杏はどうしていいのか分からなかった。
ねぇエル。運命の人がいたとして。
その人をポンと出されて、運命って思えるかしら。
ずっと聞きたかった言葉を飲み込むと、目を覚ましたエルと目があった。
撫でている杏にエルは嬉しそうな顔を向けた。
本当、馬鹿みたい。エルのこと疑ったりして…そんな反省の気持ちが心に浮かぶ。
「ねぇ。杏さん。今日は運命の人を頑張って探しましょう。」
エルはいつになく張り切っているようだった。
少しチクッとする心を見ないようにする。
やっぱり天使と人間とでは無理だということなのだ。
「じゃ早めに帰るわね。」
そう小さくつぶやいた杏の言葉にエルは首を振る。
「大丈夫です。昨日、会社にはお休みの電話をしておきました。」
驚いて撫でていた手を思わず離す。
「なんで勝手に!」
「大丈夫です。弟として電話しました。
親戚のおじさんが急病でって言ったら信じてもらえましたよ。
杏さんの日頃の人柄のおかげです。」
そりゃよっぽどのことがない限りは休んだことはない。
エルは寝たまま、杏の腰に手を回した。
そして引き寄せられた杏は見事に倒れこんだ。そんな杏をエルは抱きしめる。
「本当はこうすることの理由なんてなくてもこうしていたんだ。」
「ど、ど、ど、どうしちゃったのよ。エル…。」
ジタバタともがいてもエルの腕の中からは逃れられない。
「だって僕はいつだってこうしていたいのに。」
敬語でもなんでもないエルはいつもと違うようで、杏はどうしていいのか分からなかった。