「聞こえてる?」 その声にハッとして軽く私は首を振った。 「は…はい…! すいません…」 一言謝って、目の前にいる男の人の手に目線をうつす。 私が落としたのは猫のぬいぐるみのキーホルダー。 「あ、それ…」 私は出かける時に使うショルダーバッグに猫のキーホルダーを2つつけてる。 その1つが外れてしまった所をこの人が拾ってくれたんだ。 「はい」 その声と同時に私は手を伸ばす。