「なんだよ、その顔」 こちらを見る岬もひどい顔。お互いに、なんでわからないのかと表情で訴える。 「だって、よくわからない。感謝されることなんてなにもないか――」 いい終わる前に、岬は私の唐揚げを袋ごと奪う。びっくりしているうちに、パクリと口に入れた。 「え、え? そんな勢いで? お腹すいてたの!?」 「ぶっ」 今度は唐揚げを吐き出しそうになって、岬は咳き込む。