「早川、どうしても弁当が買いたいんだと」 岬の言葉をきいて、ちょっと残念そうな佳菜。なぜ残念そうなんだろう。 「あー。葵、相当欲しがってるもんね。岬に買ってきてもらったら?」 佳菜の提案に私は首を振る。 「自分で買いたいの! 岬に買ってきてもらうくらいなら、餓死した方がマシ!」 「ひでぇ! どんな負けず嫌いだよ」 「うるさい!」 そんなことを言い合っているうちにチャイムが鳴る。結局、ほとんど話せなかった。