こんなに溺れなきゃよかった。 いや、遥希に会った時点で、溺れることは決まっていた。 ……遥希になんて、会わなきゃ良かった。 電気のついたリビングで、あたしたちは身体を重ねた。 まるで、これが最後と言わんばかりの、悲しい時間だった。 溢れてくる愛情に戸惑いながら、離れないようにお互いをぎゅっと抱きしめた。 ……いっそのこと、子供が出来てしまえばいいのに。