そのキスで、忘れさせて






少しよれたスーツに、少しボサッとした髪。

渉仕様の彼が立っていたけど……

腕を組んで顔をしかめてあたしを見ている。

……渉なんかじゃない!!

そんな彼を見て、やっぱりドキドキしてしまう。

ドキドキしながら萎縮した。






「やっぱり違う……」




思ったことを口に出してしまう。




「遥希とは、世界が違う」