あまりさんののっぴきならない事情

 



「ただいま、帰りま……」

 カフェに戻ったあまりは、笑顔でそう言い終わらないうちに、
「はい、これ、テラス席の木の下のとこです」
と沙耶にトレーを渡された。

 ま、まだ着替えてもないんですが??? と思いながらも、そのまま運ぶ。

「忙しそうね」

 戻ってきて、カウンターで言うと、沙耶が、
「おやつどきですからね」
と言う。

 もうすぐ三時だった。

「さっさと着替えてきてくださいよ」
と言われ、はーい、と引っ込もうとすると、沙耶が、

「あまりさん」
と呼んできた。

 はい? と振り向くと、
「格好だけは、いい感じにキャリアウーマンです」
と言って、グッと親指を立ててきた。

 いや……それ、褒めてんの? と思いながらも、ありがとう、と言って、奥へと入る。

 すると、備品を取って戻ってこようとしていた成田と出会った。

「お疲れさまですっ」
と言うと、

「あれからどうだった?」
と問われる。