はい、と言って、別れようかと思ったが、寺坂は、秋月のところまで連れて行ってくれ、

「南条さんが二週間お茶を淹れてくれますので、秋月さんたちは、他の仕事に専念してくださって結構です。
 南条さんに、給湯室のことなど教えて差し上げてください」
と言ってくれた。

 どうもお世話になりました、と深々と寺坂に頭を下げていると、秋月はじろりとこちらを見、
「南条さん?
 こっちが給湯室よ」
と言って、先導してくれた。

 行きながら、振り返り、
「貴女、本当にお茶淹れるだけなの?
 他の仕事はしてくれないの?」
と訊いてくる。

 その、すっと姿勢のいい細い背中を見ながら、
「そうですね。
 何時間もお茶淹れたり、給湯室を磨いてるわけにもいかないので。

 寺坂さんに確認してみます」

 大丈夫そうでしたら、お手伝い致します、と言うと、秋月は振り向き、

「貴女、何処かの会社で働いてたの?」
と言ってきた。