「すみません。
こんなにたくさん」
結局、海里に大量の服を買ってもらい、持ってもらったあまりは、
「また来てねー」
とホクホク顔の大崎に見送られていた。
「あの、お時間ないんでしたら、自分で持って帰りますから」
と言うと、
「お前を送っていく時間まで入れて、切り上げたんだ」
と海里は言う。
「家は此処から近いのか?
車を取りに戻った方が早いか?」
「あ、歩いた方が近いと思います。
店からすぐなので」
と言うと、
「……あのカフェからか?」
と訊き返してきた。
はい、と言うと、海里は、何故か、
「物騒だな、引っ越せ」
と言う。
いや、なにも物騒ではない、よい場所なんですが……と思いながら、
「あの、犬塚さんは、大崎さんとはお友だちなんですか?」
と訊いてみた。
どういう関係なのだろうと気になっていたのだが。
なんて訊いたらいいのかわからないので、とりあえず、婉曲にそう訊いてみたのだが、海里は何故か渋い顔をする。
「友だち……うーん、まあ、友だちかな」
という曖昧な言葉が返ってきた。



