あまりさんののっぴきならない事情

 だが、海里はそれを気にすることなく、言ってきた。

「なんだか毎度、プロポーズしても流されている気がするんだが……。

 あまり――

 今度こそ、結婚してくれ」

 だが、そう言った海里は上を向いて少し考え、
「今度こそって、変だな。
 そして、ひねりがないな……」
と呟いていた。

 後ろから小声で、秋月が、いらないいらない、ひねりはいらない、と呟いているが、ほんと、プロポーズにひねりなどいらない。

 ストレートな言葉こそ、やっぱり嬉しいものだから。

 しかし、毎度、流されていると言われるのは少し心外なのだが。

 お互い、年中行事のようになっていて、いつ、本当に結婚に向かって進んでいったらいいのかわからなくなっていたのは確かだが。

 あまりは海里の方を見るのは少し恥ずかしかったので、前の座席の背もたれを見ながら言った。

「プロポーズとか、結婚とか、今でもよくわからないんですけど。

 私はもう、貴方の居ない未来がまったく想像できないんです。

 この間出会ったばかりなのに、ほんと……不思議なんですけど」