あまりさんののっぴきならない事情

 なるほど。
 窓の外には、山の上に大きな月がのしかかっているのが見える。

 いい月だな。
 それがどうした?
と思わず情緒もなく思いかけたとき、あまりが言った。

「私、ずっとこうして、海里さんと月を見ていたいです」

 え……、と固まる。

 それは、今限定の話か?

 これから先の話か?

 ずっとこの先も一緒に生きていきましょうという話かっ、あまりっ。

「寝るなーっ!」

 ふと見下ろすと、既に、あまりは気持ちよさそうに目を閉じている。

 思わず叫んだ自分に、あまりは可哀想に、えっ? えっ? と辺りを見回しながら起きてきた。