あまりさんののっぴきならない事情

 



 部屋に入った海里は、さて、と寝ようとするあまりの肩をつかむ。

「待て」

 あまりは、うっ、と動きを止めた。

「一緒に露天風呂に入るんだったろ?」
と脅迫まがいに言うと、

「そ、そうですね。
 でもあの、外から見えるので、一緒に入るのは恥ずかしいのですが」
とあまりは言ってくる。

「一緒に入らなくても、外から見えるだろ。
 誰と入っても一緒だ。

 嫌なら目隠しをしろと言っただろう。

 俺はただ、お前と月を愛でながら風呂に入ってみたいんだ」
とちょっと風流に言ってみたのだが、

「いやあの……目隠ししたら、私は見られませんよね」
と言われてしまった。