あまりさんののっぴきならない事情

 そう昔語りをしてくれる。

 そうか。
 二人とも本社に居たから、よく知ってるんだな、と思った。

 あまりは左を振り向き、
「つぎましょう」
と海里に冷酒の小瓶を向ける。

「いや、い……。

 まあ、もらうか」

 いつもお前にそそがれると、こぼしそうだからいいと断られるのだが、やはり、旅先だからだろう。

 杯を受けてくれた。

 桜田と寺坂は隣の席で、二人ともほろ酔い加減で、楽しそうにやっている。

 その姿を見ていると、あまりもなんだか嬉しくなってきた。

「今日はお酒が進みます」
と機嫌よく言って、海里に、

「……いつもだろう」
と言われてしまった。