あまりさんののっぴきならない事情

 写真で見たイメージのままだな、と思う。

『まあ、写真だけでも見てみなさい。
 可愛らしい娘さんじゃないか。

 父親にひとつも似てなくて、邪悪さの欠片もないぞー』
とまだ酔ったまま、スマホに転送してもらったらしい写真を父親が見せてきた。

 いや、邪悪って、あんた、友だちじゃないのか、と思いながら、その画面を覗き込んだ――。

 今、横に居るあまりは、これからなにがあるんだろう? という感じで、おっかなびっくり自分の次の言葉を待っている。

 そのビクビクした感じに、笑いそうになりながらも、なんとか堪えた。

「ちょっと寄っていこう」
と言うと、は? とあまりはこちらを見上げる。