あまりさんののっぴきならない事情






 また訳のわからんことを言い出したぞ。

「ロッカー見張ってましょうか」
とあまりが言い出す。

 海里の頭の中で、大量のあまりが、分裂して各フロアのロッカーに現れ、騒ぎを起こしていた。

「……やめとけ。
 それから、服部には俺が連絡しておく。

 お前はかけるな」

 万が一のときのために、服部の連絡先は聞いてある。

「そうですか?
 わかりました」
とあまりは小首を傾げながら出て行こうとする。

 ……こいつ、警戒心ゼロだからな。

 いや、コソ泥にじゃなく、男に、と思う。

 服部は隣りの部屋だし、気をつけとかないとな。

 毎晩泊まりに行ってやる、と思いながら、失礼しましたーと出て行くあまりを見ていた。