子供がせっせと淹れたお茶をあの宴会のときのような笑顔で笑いながら捨てる海里の父を頭に思い浮かべて、ああっ、ひどいっ、と思っていたのだが。
「お前なら、プライドを持って、お茶を淹れそうだからな」
別に秘書の連中にお茶汲みのプロになれって言ってるんじゃないんだ、と海里は言う。
「そういう忙しいからさっさと済ませてしまいたい仕事の中にも、喜びを見出せる奴も居て。
ちゃんとやり遂げた仕事なら、自分ではつまらないと思ってることでも、人はすごく満足してくれたり、それで、仕事が円滑に進んだりするってことを知って欲しいかなと思って」
「あー、わかる気がします。
美味しいもの食べたり、美味しいお茶飲んだりして、幸せな気持ちになると、饒舌になるし、なんでも許せる気がしますよねー」
と呟くと、海里がこちらを見た。
「……なんですか?」
いや、と言ったあとで、
「まあ、お前に美味しいお茶が淹れられるとは思ってはいないんだが」
と言ってくる。
うっ。
「お前なら、プライドを持って、お茶を淹れそうだからな」
別に秘書の連中にお茶汲みのプロになれって言ってるんじゃないんだ、と海里は言う。
「そういう忙しいからさっさと済ませてしまいたい仕事の中にも、喜びを見出せる奴も居て。
ちゃんとやり遂げた仕事なら、自分ではつまらないと思ってることでも、人はすごく満足してくれたり、それで、仕事が円滑に進んだりするってことを知って欲しいかなと思って」
「あー、わかる気がします。
美味しいもの食べたり、美味しいお茶飲んだりして、幸せな気持ちになると、饒舌になるし、なんでも許せる気がしますよねー」
と呟くと、海里がこちらを見た。
「……なんですか?」
いや、と言ったあとで、
「まあ、お前に美味しいお茶が淹れられるとは思ってはいないんだが」
と言ってくる。
うっ。



